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2019.7.17

建築

湿度と快適さ

熊本市内を流れる坪井川。
その川沿いに建つ「 旧第一銀行/熊本支店 」
1919年(大正8年)に建設され、国の有形文化財にも指定されている。

レンガ積みの風格漂うこの建物は、
現在とある建築設備メーカーの営業所&ショールームになっていて
今日はそのメーカーさんとの打合せのためにやって来た。
 

 

そのメーカーは「 PS工業 株式会社 」といって、建物の温度と湿度の専門メーカー。

取扱いの製品は主に「 除湿型放射冷暖房設備 」

簡単に言うと、
室内の空気をエアコンのように機械で直接冷やし温めて、吹き出すのではなく
室内に設置した鉄管リブ(ラジエター)に季節に応じて冷水や温水を常時流し続けて、
そのラジエターに触れた空気が間接的に冷やし温められる空調システム。

特に夏場はラジエターの表面に結露水がびっしりと付着して
部屋の湿度が下がっていることが目に見えてわかる。

つまりこのショールームでは
建築意匠とも見てとれるそのラジエターが数多く据付けられていて、
歴史ある建築空間と、湿度が抑えられた快適な空気が相まっている状態・・・
(残念ながら只今熊本震災の補修工事中で、中までは入れずに隣りのオフィスだけでした)

 

今回、何もPSさんの広告のためにブログを書いている訳ではないんです・・・

もともと、私自身がエアコンの風当たりが苦手な体質で、
いまも自宅では出来るだけエアコンをつけない生活を送っている。
それでも熱帯夜などでどうしてもつける場合には、寝室から一番遠い部屋のエアコンをつけて、
ドアを全て開け放って廊下を介す方法などで工夫している。

 

そんな日頃からの体験もあり
PSさんは20年以上前から知っている地元熊本に営業所を構える老舗メーカーで、
夏季の湿度が極端に高いここ九州エリアでは、特に有効なこの空調システムに以前から目を向けていた。

導入コストなど課題はあるけれど
普段から計画する建物や、いざ自邸を設計する時なんかも
このタイプの冷暖房設備を採り入れて、ぜひとも快適な空間を創り出したい思っている。

さらには、このシステムの稼働エネルギーを
すべてクリーンエネルギー(太陽光、地熱、地下水など)で賄えたならば、どんなに素晴らしいことだろうか。

 

 

実はこの建物(旧第一銀行)をPSさんのショールームにリノベーションした際、
工事が着手された1998年夏、当時まだ熊大4年だった私は
研究室の先生や仲間たちと一緒に、その工事の一部をお手伝いさせてもらったことがあった・・・。

当時を思い出し懐かしい上に
さらに偶然にも、今日ご対応いただいたPSの方は同学年の熊大OGだという・・・。

世の中だいぶ狭いですね・・・

 

 

data:PS工業株式会社(PSオランジュリ熊本)/ 熊本県熊本市中央区中唐人町1

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