2019.10.15
うどん・たいら
今日のランチは「うどん」に決めた。
福岡きっての名店で知られる『 うどん・平(たいら)』
最近の情報では、お店は以前あったJR博多駅前から、他の場所へ移転したとか。
恥ずかしながら私自身、名店と知りながらも未だ入店経験がない・・・。
たしか過去に2度ほど、開店前の行列に並んだことがあったが
いずれも並んでいる途中で仕事の電話が鳴ったりだとかで、あえなく断念。
そう言えば、このまえ都内で会ったテル(アヒル)も絶賛していた。
” 前に福岡行った時に「たいら」行ったよ、うどん絶品だったよ!”
” カウンター越しの親父の背中がイイよ~! ”
もはや地元民のみならず、全国区なのか~
11時半の開店前15分に店前の列に並ぶ。(まだ7~8人の列)
開店と同時に一斉に店内へご案内・・・
移転してまだ間もない、真新しい内装に清潔感が漂う。
カウンター12席、テーブル10席。
カウンター席に着座し
その向こうに側には何やら折り重なる座布団のようなモノが見える。
・・・そう、積み上げられた ”うどん生地 ” たち。
これが本日の営業分だそうで、無くなり次第閉店・・・ わかりやすい!
オーダーは
肉ごぼううどん、かしわごはん (占めてお代は800円、税込)
麺はやや太め、平打ちでモチっと柔らかい。
透き通った出汁は、もしかすると
他店の「福岡うどん」に慣れている方だと、甘さが少し抑えられていると感じるかもしれない。
でも、出汁の風味が最大限活かされるバランスで、きっとこれに辿り着いているんだろうな・・・。
ごぼう天は薄めにスライスされたゴボウが、サクッと揚げられ食べやすく
柔らかく煮た肉は、これまた甘過ぎない味付け。
いや~ 飽きない味です、毎日いけそうです。
そういえば私がまだ5歳の時
地元熊本を後にして、関東へ引っ越してまだ間もない頃、
姉二人たちと一緒に、子供3人とも口を揃えて
”熊本に居たころの、保育園のうどんが食べたい~ ” といつも母親にダダをこねていた。
その通っていた熊本の保育園では
毎週土曜日の給食は、決まって「うどん」か「ちゃんぽん」で、隔週交互に出されていた。
とりわけ「うどん」は
コシが無く柔らかい麺に、「つゆ」は透き通って甘く出汁が利いていて
我々子供たちにとって、強烈に印象深かった・・・。
(個人的には、うどんの味は熊本も福岡もほぼ同じ。「九州うどん」と称しても間違いではない)
あとで大人になってから理解できたことだが
当時、いわゆる西日本の「出汁文化」の中にあった味覚が
東日本へ移り住んだことで、まるっきりひっくり返されてしってしまったわけだ・・・
これを象徴する庶民の味こそ「うどん」に在り、
いまでは福岡うどん、讃岐うどん、関西うどん・・・ など、その多くは全国に知れ渡っている。
「 幼き頃の味覚は、一生涯の味覚 」 とはよく言ったもの。
しかし、西日本出身の私に限らずとも
きょう店前に列をなしていた、おそらく全国またはアジア圏からの旅行者だろう、
わざわざ遠方からスーツケースを引いて訪れた面々を見れば
簡単には説明がつかない
頑固親父の愚直な背中が、多くの客を惹きつけていることは間違いない・・・。
data:
うどん・平(たいら)/
(新住所)福岡県福岡市博多区住吉5-10-7
(旧住所)福岡県福岡市博多区博多駅前3-17-10