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2019.4.17

思うこと

ふたりのリトル

 

ファン・ペルシーにケイスケ・ホンダ、彼らが発した『リトルボーイ』
あの表現は上手でした。

 

 

いま個人で設計事務所を構える身として
自分の中にも「建築家」と「設計士」、ふたりのリトルボーイが同居している。

一般に、
建築家は作家として建築の分野で広く活動し
設計士は国家資格を有し法律に則って建築設計業に従事する者のこと。

 

しかし自分の定義はこれとは少し違っている。

 

『 あらゆる活動の場面で創造すること、または創造に通じていることは建築家であり
  反対に、まったく創造が関与していなければ設計士である。』

 

この独自の定義、自分ルールにはきっと異論も多く、あまり共感されないだろう。
あくまでも私の個人レベルでの話。

この定義付けのきっかけは、組織設計事務所に勤めていた20代、30代の頃。
今の環境もそう変わらないと思うが、当時は圧倒的に設計士業務に追われていた。
ようやくプロジェクトを任されたと思っても、実際にはその殆どがマネジメント業務で、ついに右脳をフル稼働させる日はやってこなかった。精神的に追い込まれた自分にとっては必然だったのかもしれない。

いま、同業で自分よりも若い世代に伝えることがあるとすれば
なにも論文を書き上げることだけが建築家ではない、ということ。(それはそれで尊敬するが)

日々、民間のクライアントを相手にしていれば、いつも転げ回っているような状況で、
それがどれほど自身のマインドを消耗させるのかよく知っている。それだけに、自分なりの定義やルールを設定することで、僅かでも自分が想い描くアーキテクトに向かって前進してほしい。

 

そして、先ほどの自分ルールには続きがある。

 

『 これを15年間続けることが出来たら、建築家を自称してもよい。』
  (恩師:桂英昭先生のお言葉を一部引用)

 

社会人3年目の24歳の終わりに一級免許の合格証を手にした。
40歳を迎えた2年前、新たに増刷した名刺の隅に、小さく建築家と刻むことにした。

 

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