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2020.6.8

思うこと

OTTK

 

今日仕事で起きた ”モヤモヤ事件 ” をご紹介。

 

 

今年の1月末、とある店舗改修の設計依頼が入った。
依頼元は建主(以下:クライアント)直々ではなく、その改修工事を請負う施工業者(Yさん)からだった。
Yさんとは仕事上古い付き合いで、よく知った仲だ。
後日、クライアントもYさんから間接的にご紹介いただいた。

 

3月に入って設計作業も半ば、全体の5~6割ほど終えた頃。
どうもクライアントの様子がおかしい・・・。
打合せ時間はすっぽかされ、作成した提案図面をメールで送ってもレスポンスが全く無い。
コロナの影響なのか、ホントに計画をこのまま進めて良いのか
さすがに逡巡されているのかなぁ~と、勝手に推察していた・・・。

 

そして今日、Yさんから約3ヶ月振りに連絡が入った。

Y 『 どうやら、クライアントは他の施工業者と話しを進めているらしく、
   いつの間にかこの案件から我々は外されたらしいんです・・・ 』

私 『 ぬぁんですとぉ~~っ!!!!!(驚 』

これまでに、クライアントから一度もそんな話聞いたことないですけどww

が、今日のモヤモヤポイントは、ここではなかった。

 

 

実は今回の件、Yさんは下請けの施工業者に過ぎず、その上に私も初対面の
元請け施工業者(Wさん)が存在していた。

プロジェクト依頼の流れはこう、
  クライアント ⇒ 施工業者(Wさん)⇒ 施工業者(Yさん)⇒ 設計者(私)
・・・ちょっと、どうかと思うくらい末端の私。

 

こんなポジションでありながらも、
3月の連絡が途絶えだして雲行きが怪しくなった時期に、私からYさんへ
『 すぐにWさんと一緒にクライアントへ連絡をとって、計画を進める意思があるかどうか確認してほしい 』
『 意思を確認できなければ、これ以上の設計作業は進められません・・・ 』
と再三に渡ってお願いしていたのだ。

・・・にもかかわらず、この結末。

 

そして、今日Yさんからの電話で驚かされたのは、開口一番、

Y 『 実は新規の設計案件(依頼)の話がありまして、
   今月で打合せに同行して頂ける日程のご都合はいかがでしょうか? 』

私 『 ・・・ん? 何の話ですって?? 』
  『 つーか、そんな話する前に、店舗改修の件はどーなったんすか? 』
  『 店舗改修のクライアントと連絡はとれたんですか? 状況どーなってるんすか? 』

—–(以下、前述のくだり)—–

Y 『 どうやら、クライアントは他の施工業者と話しを進めているらしく、
   いつの間にかこの案件から我々は外されたらしいんです・・・ 』

私 『 ぬぁんですとぉ~~っ!!!!!(驚 』

・・・人が一番気に掛けていることを、サラッと無かったことにして、
まさかの『 新規案件の話 』から切り出すやり方に、モヤモヤMA~X!!!

 

そうですか、そうですか
私が数十日のあいだ進めていた設計作業は無かったことにされたい訳ですね・・・。

 

前述の通り、登場人物の面々、およそ感じは掴めております故、
こちらも元凶は察しがついておりまする・・・。
「新規案件」という札束で人の頬を叩いて、そこまで蔑みますか・・・
道理に反しているってのはこのことですよ・・・

 

 

うぉとといきやがれ~~~~~~~~~~いっ!!! (OTTK)

 

 

 

あーすっきり!

 

 

——– Study ——–

我々、設計事務所業界でのあるあるで、
設計依頼の仕事をいただくルートには大きく2通りがある。

ひとつは、クライアントから直々に建築設計のお話を頂く場合。

もうひとつは、施工業者から建築設計のお話を頂く場合。
その施工業者が自ら工事を請け負うことが既に決まっていて、
後からクライアントを間接的にご紹介いただいて、設計を進める場合。

前出は、設計者の原則「設計者=クライアントの代理人として役割を果たす」ことが純粋にできることと、
クライアント・設計者・施工者の3者が平等な立場を保てる、最も理想的なパターン。

後出は、そもそも設計者は施工者から仕事の依頼を受けているため、
パワーバランスが崩れ、どうしても「施工者に仕えている設計者」となってしまい
前出ほど良好な関係は保てない。設計者が単独でクライアントと接触するのも憚られることが多い。
(まさに今回の件はこの例でした・・・)

—————————-

 

何年と設計士をやっていても、こういった話は無くならない。
日本全国で、日々同じことが起きている。(海外ではどうか知りませんけれど)

資本主義経済の成りの果て・・・
” 仕事をとってくる者が誰よりも、何よりも一番偉い ” という文化、ホント疲れるんですけど・・・。
こちらは、ただただ原理原則、自分の役割をキチンと果たしたいだけなんですけど・・・。

では今度からは、後出のルートで仕事の依頼があった時には
こちらも真っ先に自分の作業費を担保していただくよう、お願いを通して
ガッチガチに武装して臨まなければならないってことでしょうかね・・・。
それまた悲しいお話。

ならば
” すべて前出で(クライアントから直接)仕事を請ける ” ってことが、いまのところの答えでしょうか。

う~む、まだまだ精進して参ります・・・。

 

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