2019.10.28
続・2%の狭間
Y君に対する補足もそうだが、
今回の一件で、頭の中が少しだけ整理されたので、ブログに残すことにした。
因みに、その「法人会」に入会すると、月会費1万円。
毎週1回開催されている早朝1時間のセミナーへ参加を勧められる
(平均して毎回20~30名の会員が出席していて、セミナーへの参加は強制ではない)
セミナー終了後、参加者は希望すれば一緒に朝食をとることもでき、名刺交換もできる。
まず先に、今回、入会を勧めてくれたY君には感謝したい。
彼自身、数年前にこの法人会に出会ったことで、現在の成功を掴んだと聞いている。
その体験をこんな私にまでも還元しようと声を掛けてくれたわけで、
彼自身の生真面目な性格・気遣いを私なりに理解しているからだ。
しかしながら、私がこの度のお誘いを遠慮する理由は、以下の通り~
『 人間関係や人脈って、そう簡単にはつくれない 』
仮に入会して、毎週セミナーに通って1年も経てば
きっと両手に余るくらい、名刺の束が集まるのだろう・・・
でもそれって、決して人間関係や人脈が築けたとは言えないよね。
思うに、仕事の中で本当に人間関係や人脈が築けたな~って言える瞬間は
例えば、以前に仕事で絡んだ方々からリピート依頼や相談があったとき。
例えば、私自身の仕事の姿勢や、建築に対する考え、事務所の理念、価値観なんかに共感して頂いて
プロジェクトとして依頼頂いた上で、それが完遂出来たとき。
そもそも、必要な時間を掛けて何かを成し遂げなければ「信頼」は手に出来ない。
その信頼が無いままに人間関係や人脈は生まれない訳だし、
「この人にぜひ仕事を依頼しよう~」なんて思わない。
だからこそ今回、Y君が言う朝食を食べながら「 人間関係や人脈をつくる 」ってのはちょっと大袈裟で、
名刺を配ること自体は、あくまでも「きっかけづくり」に過ぎない。
そのきっかけづくりに
果たして、毎週早朝にお決まりのメンバー数名へ名刺を配ることや、
毎月の会費を払うことが、どれ程の効果なのか・・・
その辺も私なりにこの1ヶ月間、およその様子を見極めさせてもらいました。
『 自分はいま 2%の世界 に居る 』
我々、建築・設計業界でよく知られている統計数値で
いわゆる事業体の種類を「アトリエ系」「非アトリエ系」に大別した割合は、
それぞれ 2% と 98% だそうだ。(別の業界ならば、また違う割合なのかもしれない)
私のところは前者で、Y君の会社や法人会は後者とお見受けする。
Y君本人はこれを理解しているかどうかは分からないが、
この別々の領域に身を置いた者同士が、それぞれの経営理念や価値観をぶつけ合ったとしても
まるっきり意見が合わない。
では、そもそもアトリエ系/非アトリエ系とは何か?
いま私が居る2%の世界(アトリエ系)というのは
先ずもって、クライアント側の指示通りの標準的な出来栄えを成果とはしない。
クライアント側の要求を満たすことは勿論のこと、さらに相手が想像している要求を
僅かばかり超えた提案を示すべく、最大限こちら側の創造性を駆使する世界のこと。
しかし、この途方もない時間を費やしながら、自らの創造性を活かして探求する姿勢や手法は、時に
周りからは経済活動に則していないという目で見られることも多い。
つまり「 創造性>利益率 」では、真っ先に会社を潰しかねないからだ。
私自身、20歳の時にアトリエの世界を突き進むことを決意してから(その理由は別の折に触れるとして)
将来自分が事務所を構えた時には、専属スタッフを雇うまでの責任は負えず、
きっと「独り親方スタイル」でいくんだろうな~と踏んでいた。
そして現在、その通りになっている。 ( スタッフ&アルバイト:現在0人 )
話を戻すと、
今回、およそ98%の領域で地域の経済活動を担っている方々が集う場に、
私みたいな者がノコノコと「 どうぞ、きっかけづくりに~ 」と名刺を配ることの意義は
果たしてどこまであるのだろうか・・・。
むしろ、アトリエの世界に興味を持ってくださる法人代表や事業主、
若しくはビルダーやエンドユーザーなどのコアな方々の集会に出席した方が、成果はなんぼでも早い。
誤解がないよう付け加えると、
何も「 アトリエの方が偉い 」とか「 利益最優先は悪い 」などと言うつもりは全くない。
当然、法人としてこの地域で永くご活躍されている方々に対して、尊敬以外に何もないわけで
それら経営理念・経済活動について、そもそも法人でもない私が何も申し上げる立場にない。
ただ今回は、たまたま私が居る領域と、お誘いを受けた法人会が居る領域とでは、まったく別の世界で
意識や価値観が違い過ぎてマッチングが難しい・・・ と申し上げたいだけなのだ。
そういえば、
自分が小学校に入学して間もなく、音楽の時間に
『 ともだち100人できるかな~♪ 』 って歌わされたけど、あれって良くないよね。
私なんかは、むしろ
『 表面的なともだち100人なんて要りません~♪
ホントに気が合うともだちが2、3人だけでも出来たら嬉しいな~♪ 』
の方が、よっぽど素直だと思うけどな~。
完