はじめまして、松本健志(まつもとけんし)と申します。
この度はこちらのサイトに足を止めてくださり有難うございます。
普段から、こうして言葉やテキストでお伝えすることは苦手でして、どちらかと言えば造形や画像など、ビジュアルの表現世界に身を置きながら、なるべく右脳だけを使って生きている私です。言葉足らずの部分は何卒ご容赦ください。
さてこのサイトでは、そんな私が日頃どのような意識や思考で建築に向き合っているのか、少しだけアタマの中を公開しております。商店街のパン職人がどんな熱意を持って毎日パンを作っているのか、ラーメン屋の頑固オヤジが作る一杯のこだわりとは何か、そんな調子で気軽に拝見いただければ幸いです。
小学生の頃、街を歩きながら 「建物って、なんであんなカタチをしているんだろう」「どういう考えや理由があって決められているんだろう」 と、興味をもった。それから今日まで約25年この道一筋で歩み続け、朧気ながら 『 建物とは = 建て主の価値観が具現化されたもの 』 という答えを見出しつつある。住宅ならば居住者個人の価値観に、オフィスビルならば法人理念や役員らの価値観に、それぞれ基づきながら最終的に出来上がっているものだろう。もしかすると、およそ一生に一度の機会でもある建築行為は、生涯を掛けた「人生観の具現化 」 と言えるのかもしれない。
とはいえ、人や地域コミュニティの数だけ価値観がある。(上から順に建築行為における優先順位を示す)
一、建て主の価値観(出資者)
一、 〃 (入居者)
一、世間一般の価値観(ローカル)
一、 〃 (グローバル)
一、建築家の価値観
建築設計に携わる私共の価値観は優先順位の最下位にありながら、少なからず専門家の立場として 『 建築家自身の価値観に従って「建築の在り方」を追及する 』 という理念を掲げて建て主の価値観に向き合うことにしている。日頃から様々な方からご相談をいただくが、そもそも価値観に正解も不正解もない。結果として、私共と相談者双方の価値観が一致すれば、いよいよ建築PROJECTとしてスタートする。
現在の施工技術をもってすれば、いま新築された建物はこの先50~100年程その場所に佇むことになる。耐用年数が延びたことは、ともすれば時代にとり残された産物にもなりかねない。したがって只今の設計では、建築が残存するであろうタイムスパンを想定した上で、近未来の人類文明をある程度予測しておくことも求められる。例えば100年後、個人的には宇宙科学や量子分野が更に発展して地球外への視野が拡がり、人類の居住区も太陽系のスケールに及んでいるだろうと予測する。ちなみに、すでに我が家では週末にベランダで布団を干すことを”地球人の嗜み”と、呼んでいる。
まだ20代の頃に鉄骨造の製品検査のため鉄工所へ足を運んだ時である。普段見ることのない人の背丈ほどのある巨大な鉄骨が検査ヤードへ幾つも敷き並べられた光景は圧巻だった。鉄骨の断面を目の前にすると不思議と何かに引きつけられている感覚がして、同時に「建築とはコレなのかもしれない」と直感した。以降、例えば一般的な木造平屋の小屋組みであっても、構造計算や耐震設計とは違った次元で、木材の質量を感じさせようと意識して設計している。建材には、言葉ではうまく説明がつかない「質量の魅力」が秘められていると信じている。
端的に、私という建築家はミニマリストでありモダニストである。かと言って、真っ白い壁や天井に囲まれた無機質な建築空間が好みなのかと尋ねられると、それほどでもない。設計の本質が合理的であることは勿論、柱1本を立てる場面でも多元的に解いて最大限の効果を得ようとする、この姿勢である。
私は、自らを作家(=建築家)と名乗るのならば、モノづくりの一から十まで首尾一貫して関わなくちゃいけないものだと、勝手にそう思っている。ところが現実には、建築業界は土木に次いでつくり上げる規模が巨大で費やされる予算や時間、関わる人員が桁違いに多いことから、その意味で作家の介入をより難しいものにしている。私も下積み時代、作業効率が求められる組織設計事務所に在籍していた。そこではプロジェクトを縦割りにした首尾一貫の人員配置はなされず、部所ごとに横割り配置されたベルトコンベア方式であった。現在、アトリエ設計事務所を設立してからというもの、否が応でも首尾一貫(スタッフは自分ひとりなので)。プロジェクトとをまとめ上げた時の充実感は、それはそれは大きく違う。
パッシブ建築・・・主に自然のエネルギーを活用する手法
アクティブ建築・・・機械の力を積極的に使う手法
最近ではパッシブ建築の在り方が一目置かれている。私に言わせればアマゾンの先住民のような暮らしこそが本来100%のパッシブであって、そこからすれば日本の新興住宅地に建つ1件の建売住宅のそれは数%のパッシブに過ぎない。消費経済の世の中、アマゾンの暮らしは今さら出来ないため、私が理想として掲げる住宅建築は、太陽光などで自然エネルギーを100%用いて、高効率の設備機器を稼動させる手法。尚且つ、それら機器類の稼動時間が年間を通じて極力抑えられるように、建築本体の断熱や窓の取り方などを工夫して設計された、パッシブとアクティブのハイブリット型。
私共では、建築のご相談と一緒に設計・監理料に関するご質問も多くいただいております。
ただいま国内では設計料に関する具体的な法律や規定までは無く、その代わりに国土交通省より目安となる指針(告示15号)が出されています。その上で当事務所では独自の設計料率を設定し、ご相談の際に料率表を用いてご説明させて頂いております。
◯ 国交省の指針(告示15号)
物の用途と規模から設計作業時間や人日数を割り出し、そこへ設計士(技師)の単価を掛けて算出されるもの。
⇒ 建築工事費の12~15%程度
◯ 一般的な設計事務所
事務所によって算出方法は様々ですが、独自の設計料率を設定しているところも多いです。
⇒ 建築工事費の5~12%程度 (内訳/設計料=3.5~8%、監理料=1.5~4%)
○ 松本健志_建築設計事務所
建物の用途や規模、設計難易度ごとに独自の設計料率を設けております。(数年ごとに改訂して
います。下記PDFをご参照ください。)
⇒ 建築工事費の7~10%程度 (内訳/設計料=5~7%、監理料=2~3%)
まず、建築のご相談の段階では一切費用は発生いたしません。具体的な計画立案や設計図作成などの作業に着手した時点から有償となります。作業前にこちらから予め「ここから有償、設計料が掛かりますが宜しいでしょうか」といったアナウンスを致しますので、どうぞご安心ください。
住宅の場合には、手前どもからの第1回目プレゼンテーションまでは無償となります。仮にその案をお気に召されて、第2回目の作業入る際に『設計監理委託契約』 を結ばせていただく流れとなります。