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2020.4.25

建築

縦書きの便箋

先週、私宛に一通の手紙が届いた。

縦書きの便箋(計6枚)にしたためられた想いに、胸が熱くなった。

 

 

手紙の差出人は
私が27~30歳の頃に勤めていた都内設計事務所の、当時の設計室長(Kさん)からだった。

直属の上司でもあったKさんは、私の親と同世代くらいで
昔からよく気に掛けていただき、大変お世話になっている方だ。

私が福岡へ越して設計事務所を設立して間もなくの時も、
身構えについて色々とアドバイスを頂き、随分と背中を押してもらった。

退職されて以降、現在は詳しいことまではわからないが
ご実家(岩手県)に戻られて、定期的に自費出版される程の、執筆活動の毎日を送られているという。

 

最後に連絡をとりあってから数年、
久し振りのお手紙の内容には、びっしりと、私から送った年賀状についての考察が・・・。

ん、年賀状? 考察?

・・・実は例年、Kさんへ送っている年賀状には
その前年に仕事で手掛けたプロジェクトや建築作品のうち、ベストショットの写真1枚だけを載せて
送っている。ただし解説文などは一切なく、写真だけ。

それはちょいと失礼じゃない? と突っ込まれそうだが
わざわざ解説するのも、おこがましいし、恐れ多いので、いつも深く考えずにササっと投函していた。
(補足:↑は事務所用の年賀状のことで、他にも家族用年賀状と一緒に、毎年2枚送っている)

 

それにしても、Kさんの考察は、どれもズバリ。

一年に一度、たった一枚きりの写真だけあって必要以上に妄想を搔き立ててしまうのか・・・(笑)
その後、色々と経験を重ねている私の微妙な感覚の変化(変遷)までも読み取っていらっしゃる。

設計室に在籍していた当時、
建築に関して事務所内では他の誰よりも厳しかったK室長は、周りのスタッフを寄せ付けなかった。

私自身も、全力で描き上げた図面を度々チェックして貰うために、全身を緊張させながら
室長のデスク前によく突っ立っていたものだ。

 

当時の風景がフラッシュバックする・・・。

 

果たして、
40歳を過ぎたいま、そこそこ経験も積んできた自分が
日々どれほどの緊張感をもって仕事に向き合えているだろうか・・・。

そして、これほどまでに的確なアドバイスを頂ける人物は、他に居るだろうか・・・。

 

便箋を読み終えると同時に、
それら考察を頂いたプロジェクトのポートフォリオ(竣工写真集)を慌てて作成し、
A4用紙×8枚にびっしりと、お手紙のお礼と解説文まで書き添えて
サササっと速達で発送しましたとさ・・・

おつ!

 

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