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2019.11.23

建築

スレートの佇まい

自宅から程近く、いつもウォーキングで通りかかる道沿いに
前からすごく気になっている建屋がある。

 
都会のど真ん中に
ひときわ年季が入った建物が顔を覗かせている。

物流倉庫なのか、鉄工所の作業場なのか、
どうやら幾つかの用途が混在した建物のようで、詳しいことまではわからない。

 

 

鉄骨フレームに屋根と外壁にはスレート波板が葺かれている。

 
スレートはその殆どが濃い灰色に染まり薄汚れていて
蔦や雑草たちが自由気ままに生い茂っている・・・。

 
常に開け放たれた小窓からは、
夕暮れ時には中からオレンジ色の光が漏れ、なんとも幻想的だ・・・。

 

 

 

周りには新築マンションが立ち並び、
唯一、隣接しているコインパーキングの空地から一部の外壁だけが顔を覗かせて
カメラを構えた私に向かって低いトーンで  ”なんか用か? ”  と喋ってくる・・・。

この惹きつけられる魅力とは一体何なんだろうか?

錆びれた外観になんて一切気にも留めず、
時間の流れに身をまかせて、ただひたすらに目的を果たし続けている。
その在り様にどこか共感を覚える。

 

 

『 いつかこんな建屋の中に自分の設計事務所を構えたい 』
『 外観からはまるで想像できない ” 劇的で圧倒的な内装 ”を施して 』

直感でそう思った。
無意識に、いつの間にか自らを建築へ投影している・・・

 

つまり

『 見てくれなんてどうでもいい 』
『 虚勢なんか張らなくったって、堂々と自然体でいればいい 』
『 大切なのは内面。常に熱いもの秘めて、どれだけ強く輝けるか・・・ 』

 

巡り巡って結局そうなる・・・
きっと必然なんだろう。

 

 

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